岡田准一主演の「燃えよ剣」は当初5月下旬に公開予定だったのだけど、延期されたままですね。
そんななか、栗塚旭主演の「燃えよ剣」(1966年)を見ました。
時代劇専門チャンネルであと数回放送されます。(2020年6月29日、7月19日・25日放送予定)
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この映画、上にリンクを貼ったDVDではなく、VHS版を持っていて、途中までは見たような記憶があったんですよ。
テープを見ると、こんなところで止まっています。
なんかラブシーンが気恥ずかしくて見るのをやめたような・・・。せっかく購入したのにね。でも今回は最後まで見ましたよ。
ちなみにこのVHSは税込み3,914円。ケースに入っている「応募券」に’93.8とあるので、消費税3%の時ですね。
この映画は司馬遼太郎の同名小説が原作です。小説のセリフをそのまま使っているところもありますが、映画のストーリーは恋愛ものの要素が強くなっています。
小説の前半は宿敵・七里研之助との対決が大きな柱となっていて、映画もそこが主軸となっています。そのため映画では小説後半の内容は描かれません(岡田准一版「燃えよ剣」で柴崎コウ演じるお雪さんのこととかね)。池田屋事件直後で終わっています。
91分の映画で鳥羽伏見~函館までは無理ですよね。
この映画で好きなのは冒頭の、頬かむりをした歳三が、村の女たちに冷やかされる中、足早に歩くシーン。向こうっ気の強い、そして女がほおっておかない歳三がこのシーンから垣間見えます。
和崎俊哉が演じた近藤勇は、田舎じみたところのある、朴訥で鷹揚な、器の大きい人物を感じさせます。この近藤さんは私のイメージに合っているなあ。
敵役を演じたのは内田良平。さすがの存在感でございます。敵が強く憎々しいと主役が引き立ちます。
この作品はまず原作を読んでから観て、ストーリーを比べてみるのがお勧めです。
私はこの装丁の文庫本を持っています(古いです)。
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小説の「分倍河原の決闘」の前と後の沖田総司の描写がいいです。(ほかにも好きな描写はたくさんありますが。)
例えば、「ちょっと色小姓にしたいような美貌である」。この一文だけで〝沖田総司″が浮かび上がると思いませんか? (この表現は映画には出てきません。)
映画での分倍河原の決闘や池田屋の闘いは見応えがあるシーンになっています。
(「分倍河原」という地名を目にするだけでつい、にやけてしまうのは私だけではないはずです。)
ところで、近藤勇の虎徹がネットオークションにかけられているそうです。
special.sankei.com司馬遼太郎の『新選組血風録』に「虎徹という名の剣」という短編がありますが、その話と現実とがリンクしているようです。