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「新幹線大爆破」雑感

先日NHK-BSで放送されていた「新幹線大爆破」(1975年)を録画して見た。面白い。日本では興行成績は振るわなかったらしいが欧米ではけっこうヒットしたようだ。

(以下、若干のネタバレを含みます。)

2時間33分。欧米では犯人たちの背景をカットして、英語圏では115分、フランスでは100分。そういう映画もありだけど(それはそれで面白そうで見てみたいけど)、それだと犯人グループの高倉健山本圭の良さが消えてしまう。

 

ウィキペディアによると、この映画の製作を巡っては東映国鉄とかなり険悪な状態になったようで、国鉄の協力が得られず、東京駅のホームや新幹線の車内はセット。貨物列車のシーンは国鉄ではなく私鉄を使ったそうだ。その他ゲリラ的に撮影した映像もあるらしい。

模型とはっきりわかるシーンとか、合成しているシーンとかには気付いたけど、新幹線の車両の撮影もできなかったとは驚いた。

スピードが出過ぎるのを制御できる装置が整っているので新幹線は安心ですとアピールしている国鉄としては、スピードが落ちたら爆発する爆弾が新幹線に仕掛けられるという映画には協力できないという論理もわからなくはない。

しかし指令室の宇津井健、運転士の千葉真一など、いい描かれ方をしているのになあ。

当時国鉄は偉かったんだね。だからこそ映画を作る側の心意気が伝わってくる。

 

犯人の要求は500万ドル。ドルを要求してきたことから国外逃亡を計画していると考えられ、「今日から1週間以内の出発予定者を重点的に調べてほしい」という指示が出された。

後藤刑事(黒部進)「5万人ぐらいはいると思われます」→別の刑事「女と50歳以上の老人を除けば三分の二になるだろう」

50歳以上は老人!? ここは今と感覚が違うよね? 刑事部長を演じた丹波哲郎がこの時52歳。

 

犯人グループの一人、「過激派崩れ」の山本圭。大金を手にしたら何をしたいかと高倉健に聞かれて「革命がうまくいった国に行ってみたい。もう一度人間への信頼が取り戻せるかもしれない」というようなことを言っていた。何があったのだろう、山本圭

2年半も面倒を見ていた女性が言うには「内ゲバでやられてがっくりきてた」。「誰が敵か味方かわからなくなっちゃった(と言っていた)」。じょうなん大学理工科学生(その後中退)。理系のインテリという感じが滲み出ていた。

 

ともかく、ハラハラするシーンが随所にあって飽きないし(つっこみどころも多々あり)、俳優さんたちは豪華だし、犯人たちの鬱屈に共感できるところもあって、おすすめです!